撮影で使用される一軒家では、「家具はどうするのか?」という疑問を持たれる方も多いと思います。
結論から言えば、家具が“そのまま使われる”こともあれば、“入れ替えられる”こともある──というのが実際のところです。では、どんなときにどちらの対応になるのでしょうか?
1. 撮影で「そのまま使われる家具」とは?
- 室内の空間に自然に馴染んでいる
- 形状や素材にクセがなく、シンプルなデザイン
- 配色やサイズ感が主張しすぎず、画面に“溶け込む”
つまり、家具自体が「特定のキャラクターを強く持っていない」ことで、どんなシーンにも合わせやすくなるのです。
2. とはいえ、ほとんどの現場で家具は入れ替えられる
CMやドラマなどの映像制作では、美術部やスタイリストが撮影用の家具や小物を持ち込むのが基本です。
その理由は、作品ごとに想定される家庭像(中流/上流など)や暮らしのシーンが異なるため。家具が撮影イメージに合わなければ、もちろん候補から外れる……ということはありません。あくまで現場の判断で「入れ替え前提で借りる」ことも多くあります。
たとえば、家族設定が4人であればダイニングテーブルは4人掛けが必要になりますし、2世帯家族であればテーブルサイズは更に大きなものを用意します。これらは撮影意図によって動的に整えられる世界なのです。
3. オーナーが選ぶべき家具の考え方
では、Thehome.に掲載されているような一軒家で、家具をどう考えるべきか?
答えはシンプルで、「自分たちの暮らしに合った家具でOK」です。撮影は一時的なもの。日常を犠牲にしてまで家具を揃える必要はありません。
ただし、ひとつだけ意識したいのが「移動できるかどうか」。
固定された家具や造作家具(壁に付いたソファ、キッチンと一体化したテーブルなど)は、撮影上どうしても不都合になるケースがあります。その理由は、家具のサイズや位置をシーンに合わせて変えたいから。移動ができない=表現の幅が狭まるため、柔軟に動かせる家具が好まれる傾向にあります。
なお、不要な家具は撮影期間中、制作サイドが用意する専用トラックで一時保管するケースもありますので、心配は不要です。
4. まとめ:家具は“演出の一部”、暮らしやすさが第一
撮影現場にとって家具は「演出の一部」であり、作品世界の“脇役”です。
オーナーのセンスが良い・悪いで採用が決まるわけではありません。むしろ、「暮らしやすさ」と「移動のしやすさ」を重視して家具を選ぶ方が、撮影との相性も高まります。
Thehome.が考える“選ばれる一軒家”とは、住まいとして自然でありながら、撮影という非日常にも対応できる柔軟性を持った家。家具もその一部として、無理なくできる範囲で備えていただければ十分です。