撮影向きの一軒家スタジオ~間取りについて~

これから自宅新築、建て替え又は移住を検討されている方向けの情報です。
その中でも「撮影に使われる家にしたい!」「稼ぐ家をつくりたい!」という方がいらっしゃれば必見です。

1つ前の記事は~立地編~でした。簡単に復習すると「スペース確保」「周辺環境」の2点がどだけ重要かという内容でした。 ※先に立地編を読みたい方はコチラから

先に「工法」について触れますが、在来、ツーバイ、RC、ログ等、工法は特に問いません。しかし当然ログには丸太の温かみがあり、RC仕上の壁や天井はシャープで無機質になるので与える印象も変わってきます。一軒家の特に室内を撮影する場合に訴求したいのは日常の生活感です。工法よりも大事なのは仕上げ材や家具となります。

それでは本題へ。

一軒家での撮影の多くはLDK(リビング ダイニング キッチン)目当てで問合せが入ります。「家族が食卓を囲む」「ソファでくつろぐ」「キッチンで料理をする」このようなCMが頭に浮かぶ方も多いはず。なので素敵なLDKは制作担当者の目にも留まりやすく問合せの数や決定率に大きく影響します。

基本的にLDKは一つの空間で壁や仕切りは存在せず、尚且つ「広い」ことが理想です。
参考までにThehome.登録済み一軒家のLDKは18畳から26畳が多かったです。一般的には16畳から20畳と云われるので掲載済一軒家が平均より広いことが分かります。中には都内で40畳以上の広さというお宅もありました。広いとカメラの位置や機材置場や人の待機するスペースに余裕が出てきます。狭い空間で無理に撮影を行うと色々なリスクが高まります。

LDKの広さは同階床面積の約2/3を占める主要なスペース。間取りも横長、縦長、真四角、L字と色々存在しますが、どのタイプでも重要になるのがキッチンをどこに配置するかです。これは「キッチン編」で深掘りしますが縦長、横長であればキッチンは大抵の場合、端に寄せた方が撮影しやすいです。真四角とL字の場合は中央でも悪くはないのですが、LDK全体の広さが更に求められます。

LDKを1階か2階のどちらにするか?という選択は立地状況もかかわってきます。庭が横長で広く抜けが良い時は1階リビング、2階バルコニーから眺望が良ければ2階リビングも良いでしょう。ただし撮影側は1階リビングの方が搬入しやすいので基本1階が好まれます。もし、2階リビングを検討する場合は階段の幅を広めに設計して、出来れば両サイドが壁ではなく、片方はオープンにして手摺りで仕上げた方が、機材搬入時の事故発生リスクを軽減出来ます。

天井は低いよりも高い方が好まれます。最近では梁をそのまま意匠としてみせる住宅が多いですが、古民家に使われる太い梁を使用する場合は、天井高めにした方が良いです。理由は上からの圧迫感が出てしまうのと、室内の雰囲気が良くても梁を強調させたくない場合があるからです。

天窓や採光用の窓を高い所に設置したい場合はご注意ください。何故なら遮光をしたい時に付随する作業がとても面倒だからです。1階の天井に部屋を設けず吹き抜けにするケースもあります。これも開放感があるという点では良いのですが、遮光を考えれば1階キッチンだけは天井をつくりダイニングとリビング又はその一部を吹き抜けにしたり、採光窓はバルコニーと繋がりを持たせ、外部からアプローチを可能にするとか何かしらの対策が必要です。リモコンボタン1つでロールスクリーンが降りたりするシステムとの連動を検討するのも一つの方法です。
話しが脱線しますが、よく撮影当日に屋根に上れるか?というリクエストも出ますが、現状復帰の確認が出来ないのとヒトやモノ落下する可能性もあるので、慎重に考えて対応することを強くおすすめします。

●LDK~まどり編~のまとめ

① 工法は問わず
② 可能な限り広く
③ キッチンは壁に寄せる
④ 理由が無ければ1階LDK
⑤ 高い位置の窓には注意