前回の記事でキッチンの位置はとても重要でLDKが縦長、横長の場合はどちらかの端に寄せることをおすすめしました。何故キッチンシステムを端に寄せた方が良いのか?
キッチンの先にダイニングテーブルやソファ等が映ると空間の奥行と繋がりを感じます。
一軒家スタジオであればそれが容易に撮影できるのです。
※LDKが縦長の事例
部屋を一方向から見渡せるキッチンのタイプとは、2列型やアイランド型です。U型のキッチンカウンターでも片方が壁に接しているものならば大丈夫です。キッチンカウンターから部屋全体が見渡せることが必要ですが、前列のカウンターの上にウォールキャビネットを設置すると閉塞感が出てしまうため、一軒家であれば後列の壁面に設置するのが良いでしょう。
※前列頭上をオープン、二列目頭上にキャビネット設置
2列型のキッチンでは、前列にコンロとシンクを並べて配置すると、色々なモノが映ってしまいます。仮にこの2つを前列に配置しても、作業台として機能するスペースを確保しましょう。また、海外のキッチンに多い背が高く大きく湾曲した水栓は、存在感が強くて敬遠される場合があります。水や油のはね防止に透明のアクリル板を立てるキッチンを見かけますが、取り外しが容易なものが便利です。
キッチン撮影の際には、コンロがガスかIHか尋ねられることが多いです。未だにガスを希望する撮影シーンが多いようです。特に関東地方では、IHの導入率が高くないため、こだわりがなければガスコンロが良いでしょう。
キッチンキャビネットの色には、ホワイト系、アイボリー系、木目調などの需要が高いですが、LDK全体の雰囲気に合っているかがとても重要です。細かいことですが、鏡面仕上げよりもマットタイプの方が撮影しやすいです。これは、映り込みや反射のリスクがあるためです。また、キッチンキャビネットの引手は無くても問題ありません。あまり存在感の強い引手を付けると目立ってしまうため、シンプルなタイプが良いでしょう。
キッチンカウンターには、ステンレス、天然石、人工大理石など、様々な素材がありますが、撮影に適した主流の素材はありません。ただ、色は暗めよりも明るめの方がよいでしょう。
業務用やステンレス製のキッチンが好きな方は、選択肢の中に入れてもよいでしょう。自宅で業務用キッチンを設置している方は少ないですが、本格的な調理やスタイリッシュに撮影したい時などには需要があります。
キッチン全体をすっきり見せるためには、収納扉を減らして、パントリーを別の場所に設ける家も多くなってきましたが、悪くない選択肢です。一方で、食器や調理器具を敢えて収納せず、陳列させて魅せるキッチンもあります。このようなキッチンは生活感があり、ロケハンした際の制作担当者の印象も変わってきます。
今回はキッチンを設置する場所やキャビネットの配置について触れましたが、素材や機器、収納方法などに正解はありません。まずは自分の好きなスタイルを優先させてください。何かの参考になれば幸いです。
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