一軒家を撮影用に貸し出す際、内装のデザインや家具のセンスと並んで、「間取り」が現場判断を大きく左右するポイントになります。
見た目が魅力的でも、撮影に不向きな間取りであることが理由で、候補から外れてしまうケースも少なくありません。
なかでも撮影スタッフに好まれるのが、縦型のLDK。
奥にキッチン、その手前にダイニング、さらに手前にリビングと続く直線的なレイアウトは、奥行きを活かしたカメラワークが可能です。カメラを大きく引いて置くスペースが確保しやすく、人物の動きと生活感を自然に映し出すことができるため、CMやドラマでよく選ばれています。
参考:野田市の一軒家 https://thehome.jp/studio/5480/
一方で、LDKがL字型や横並びの間取りの場合、カメラの引き距離が確保しにくく、画に奥行きが出づらいことから、採用を見送られることもあります。照明のセッティング自体には問題がなくても、「カメラが下がれない」という点は現場にとって致命的な欠点となり得ます。
また、リビングが2階にある間取りについても注意が必要です。住宅としては採光や眺望の面でメリットがある一方で、撮影では1階リビングの方が圧倒的に使いやすいという現場の声が多く聞かれます。
機材や大型家具を階段で運ぶ手間とリスクが増すためです。階段の幅が狭かったり、天井が低くて背の高いものが通らなかったりすると、搬入・搬出だけで多くの時間を要し、現場の負担が大きくなります。
撮影対応を意識する場合は、たとえ2階リビングであっても、階段は十分な幅を取り、吹き抜け構造で照明器具などの障害物を減らすなど、機材の搬入経路に配慮した設計が好まれます。
✅まとめ
- 「縦型LDK」はカメラワークの自由度が高く採用されやすい
- カメラを「どれだけ引けるか」が間取り判断の分かれ目
- 2階リビングは不利になりやすいため、搬入経路の配慮が重要
撮影の現場では、単に“広い”“おしゃれ”といった基準だけでなく、
「どこにカメラを置けるか」「どう搬入できるか」といった実務視点が重視されます。
選ばれる一軒家には、そうした“現場目線の配慮”が詰まっています。
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